外国人にとって文化の違う日本で働くことはかなり過酷なことです。
日本に来る前は『よし!日本で頑張るぞ!』なんて意気込んでいてもいざ日本で働いてみたら、
こんなはずじゃなかったのに…と母国へ帰ってしまう人も少なくないです。
私の友人も何人か韓国へ帰ってしまいました。
また母国へ帰ったにもかかわらず、やっぱり日本で働きたい!と戻ってきた知人もいます。
このように日本が好きな人、アニメや文化に興味がある人、先進技術を身につけたい人など様々な理由や関心を持って
日本で働き住みたいと思う外国人が沢山います。
私もはじめアニメやドラマを観てとても日本に興味がわきました。
目次
私が韓国から日本に来た経緯
私が生まれた国、韓国では兵役があります。
無事に軍隊の服務が終わって、休学から復学した時に教授からの推薦で国の国費支援で日本就職の教育を受けました。
日本語は高校の時に少し習った程度でした。
教育が終わり面接を受けましたが自分の思った通りに全く話せず3社面接を受けて全部落ちました…泣。
これでは教育を受けた半年がもったいないと思い、そこから1年間は配達・ネットカフェ・カラオケ・KTXのサービス支援などの
様々なバイトをして1,500万ウォンぐらいのお金を貯めました。
そのお金を使い日本へ行こう!!と意気込んでいました…がしかし…現実はそんなに甘くなかったです。
理想と現実
貯めたお金を使い日本に来たら飛行機代や日本語学校入学金などの費用にほとんど使いきり、
手元には7万円しかありませんでした。
今思えば無謀な行動だったなと笑えますが、
当時は無知でそれでもなんとかなる!と希望を捨てていませんでした。」でもすぐに現実にぶつかりました。
毎日の学校生活、学校が終われば生活するためにバイトをし就職活動はもちろん勉強すらできる状況ではなかったです。
日本語もろくにできない外国人が働ける仕事はほとんどなくバイト代も安いので毎日の食事を減らして常に空腹でした。
酷い時は電気もガスも止められ真冬に冷水でシャワーを浴びたり、携帯の充電ができる場所を探し回ったり、
電車に乗るお金もなくて自転車で行動していました。
何時間もかけ学校・バイトの往復で…私はいったい何のために日本に来たんだろうと涙が出そうな日もありました。
なんとか卒業して、また過酷な生活を続け専門学校を入学し卒業しました。
そしてやっとの思いで日本の会社に就職することができました。
暗黙の了解
やっと就職できましたが更なる試練が待っていました。
日本には「言わなくても察するように」の文化があったのです。
韓国や中国にも「空気を読む」コミュニケーションはありますが、日本は特に強いですね。そもそも「空気が読める」のは、
相手も自分も同じ文化を理解し、共有しているという前提があるからこそわかることで、
何でも話し合いコミュニケーションを取る外国人とは違い、「行間を読む」「暗黙の了解」といったコミュニケーションは、
こうした習慣が無い国の人には分かりづらいものです。
「背中を見て学べ」といった、旧来の仕事の進め方を今も押し通そうとしがちな人が少なくないように思います。
会社では話しかけるなというオーラが出ている人ばかりで日常会話はもちろん仕事に関する会話もできる状態ではなかったです。
仕事を振られることもなく自分が頑張りたくても何もできない、孤独・孤立感に襲われました。
そんな辛い状況が続き、辞めたい転職したい…韓国に帰りたいとさえ思うようになりました。
そして私は転職を選びました。
IT業界がブラック企業と言われる理由
以前私が派遣社員として働いた会社では上記で書いたコミュニケーションが取りずらいにプラスして残業三昧の上、
有給が取れないといった俗に言うブラック企業のような状況でした。
日本語学校にいた頃に比べたら天国の様な給料でしたが使うことができないくらい忙しかったです。
よく日本人は働きすぎと聞きますが、日本人はこんな過酷な状況で本当に自分の力を発揮できるのか疑問しかなかったです。
残業で朝方まで仕事する日もあり、そのまま次の日も仕事といった状況も普通にありました。
有給も使う事が許されるような状況ではなかったです。
今思うと疲れ切って効率的ではなかったです。
そして私はフリーランスを選びました。
自分にとってプラスになる転職
私が業務委託として仕事を受けていたのが現在私が働いている会社10antzです。
1年半お世話になりましたが今までの会社とは違い外国人が多く活躍していて有給の不安もあまり感じず
コミュニケーションが取りやすい職場だなと素直に感じました。
10antzの外国人社員をみていると生き生きと仕事をしています。
私もこんな会社で働きたい!と段々気持ちが傾いていき、10antzの正社員になることができました。
日本人と外国人社員とのコミュニケーションの場を提供したり、1on1制度などを設け、
不安や悩みを相談できる場もあると知りました。
リモートワークの許容や柔軟に休暇を取れるような制度もあり、
以前のような過酷で自分の力が発揮できないような状況はなくなりました。
無理な状況で無理に働くより、働きやすい職場を自分で探すことも大事なんだなと感じました。
外国人の方がこれからの就活や転職の参考になれば嬉しいです。