ハッカソン参加を通じて学んだ、サービスを企画開発して世に出すということについて【後編】

WRITER: Taka
2022/08/29

Taka: これはどんなサービスだったのか、ちょっとご説明いただけますか

コジ: はい、一言で言うとマッチングアプリなんですけど、
マッチングアプリはいろんな種類のものがあるので、どう差別化するかというのを最初に3人で考えました。
”時間帯によるマッチング”っていうのがその頃なかったので、「この時間帯だけマッチングしやすくなる」というのを考えようという話が出まして、そこから最終的に作ったものが、、、

19時から24時までの5時間だけ、無料でチャットルームがオープンする(シンデレラタイム)というもので、「5時間だけシンデレラ」というアプリ名にしました。
24時を過ぎると、その時間で会話した内容は全て消えてなくなってしまうんです。
シンデレラタイム中のみ、お互いのプロフィール画像は恋をするようにぼやけます。

それ以外の時間は、相手のプロフィールを見たりとかはできるんですけど、
無料でマッチしてチャットしたりとかは、19時から24時までの5時間だけっていうので
コンセプトとしては、シンデレラの物語に沿った形にしてみました。

Taka: なるほど、あえて時間帯を絞ることによって、お互いオンラインの状態も作れるし、活発化を促すことができるんですね

コジ: そうですね、はい。
あとは19時から24時っていうのは、だいたいその時間がみんな仕事から帰ってきたとか、お出かけして帰ってきて家でくつろいでる時間だろうなっていう。

その5時間だけ無料でマッチできるっていう方が、ログイン率も上がるかなって考えました。

Taka: 確かにそうですね、面白いですね

コジ: シンデレラタイム以外の時間は、課金したポイントを使わないとプロフィールを見ることもチャットを送ることもできません。

Taka: いいねを押すこともできないってことですか?

コジ: いいねを押すこともできないんですよ

Taka: そのアプリを作り始めてリリースまでの間で、何か起きた問題とか面白エピソードってありますか

コジ: そうですね〜、、
あらかた制作が終わって、ストア申請するじゃないですか。
これはApple Storeだけだったんですけど、なかなか通らなかったんですよ。

Taka: ああ、理由はなんだったんですか?

コジ: 理由は、まあその異性紹介事業っていうのにあたってしまうと、審査に通りにくくなってしまうんですね。
マッチングアプリにも2種類ありまして、インターネット異性紹介事業か、ただのコミュニケーションアプリなのか。なので、仕組みを変えたりしました。
インターネット異性紹介事業に該当する場合は、警察署への書類審査などを提出しないといけないなど、普通のアプリよりも手間が増えるという欠点もありましたね。

Taka: 最近日本はマッチングアプリ増えてるじゃないですか。あれって異性紹介事業に入るんですか?

コジ: ほとんど異性紹介事業ですね

Taka: ですよね。じゃああれらは細かい厳しいルールに通ったものたちなんですね。

コジ: そうですね。
やっぱり作ることによってわかることとか、体験してこんなルールがあるんだとか、っていうのがわかりました。

Taka: リリースした後に問題ってありました?

コジ: そうですね〜、、
やっぱり男性の方はすぐインストールしてくれて、男性の利用者数は増えるんですけど、
女性てなかなか、そういうの怖いから手出しにくいので

Taka: 最初プロモーションとか大変ですよね

コジ: 大変ですね。
男性はリリースすれば比較的がっついてやってくれるんですけど、
女性に関してなかなかそうゆう訳には行かなくって、各開発メンバーの知り合いの女性に「これ面白いからやってみて」みたいな感じで、自分たちの知り合いにお願いするという形でユーザー数を増やしていきました。

Taka: じゃあ広告費をどばーっと使うみたいなことはしなかったんですね

コジ: しなかったですね。ランニングコストだけでも結構かかるので、、

Taka: そうですよね。AWSとか、その時間帯だけアクセス集中するとね

コジ: ただそんなに流行らなかったので、ユーザー数も6〜700人で打ち止めだったので、
そんなバカみたいに高額請求はされなかったのでよかったです。

Taka: 「5時間だけシンデレラ」をやられてみて得た教訓はありますか

コジ: やっぱりその、教訓と言いますか、
ゼロからこう会社と無関係に、個人だけで仲良い人だけで作るのってやったことがなかったので、
そういう意味では、個人で作ることの楽しさとか、逆に売上が出なかった時とかは全責任が個人にくるんですけど、
事業ってこういうことなんだなみたいな。

Taka: そうですよね、やっぱり普段人って生きてると会社以外のところでは、
だいたい趣味ってインプット型の趣味が多くなるじゃないですか。動画見たりとか映画観たり。
自分で作って、更にそれを世に出すアウトプット型の趣味って、インプット型では得られない学びとか成長がありますよね。

コジ: ありますね。あとはゼロから作ることの学びというか良いこととしては、
やっぱりみんな仲良いチームなほど、こんなの良いんじゃない?って企画からみんな関わっていける。
デザイナーだから企画やらなくていいっていうわけではなくて、みんなで話し合って出してくみたいな。
そういう時間が一番楽しかったですね。
あとはクリエイター視点だけではなく、経営者視点を持つきっかけとなった事も大きな収穫でした。

Taka: 今回それを作った時のチームの人数って何人だったんですか?

コジ: 一番最初は3人だったんですけど、イラスト得意な人にアプリの中で使うキャラクターのイラストを依頼したりとか、
サーバエンジニアもう一人必要だってなったり、どんどん増やして最終的には10人くらいになりましたね。

Taka:10人中、エンジニア何名、デザイナー何名だったんですか?

コジ: デザイン系4名、エンジニア系4名、あとは全体見るディレクションみたいな人が2名くらいでしたね

Taka: で、コジさんはビジネス理論とか、普段からいろいろ学んでらっしゃるということですけども、それはいつからですか?

コジ: 「5時間だけシンデレラ」の組織を見て、色々考えるきっかけになりましたね。
そういうハッカソンでアプリを、それこそ「5時間だけシンデレラ」もそうなんですけど、絶対に外さない企画の作り方、事業の作り方だとか。
あとはどうやってもっと収益を出すかっていう収支計画も勉強したほうがいいよねとか問題も出てきたので、
そこで、次はじゃあどうやったら失敗しないように個人でアプリを作れるかっていう風に考えたときに、基礎知識がないといけないなと思って焦り始めて勉強し始めました。

Taka: ああ、そこからですか

コジ: そうです

Taka: 絶対に外さない事業の作り方って、それあったらずすごいですね、見つけました?

コジ: やっぱり共通して知識として必要だなって思うのは、「撤退ラインを作ること」かなって思いますね。
何ヶ月までにこれだけいかなかったら、企画を変えるのか、サービス終了するのか、というのを決めとかないと、ずっと赤字だけ垂れ流してしまうので。

Taka: 大失敗はしないようなやり方ってことですね

コジ: そうですね、今度またなんかアプリとかサービスを作るときは、そういうのを気をつけていきたいなと思いました。

Taka: あとはあれですよね、リーン型組織っていうところだと、
小さめに作って、リリースしては、学びを得て、また改良して出しては学びを得て、の小さな車輪をぐるぐる回すっていうやり方っていう理解でいいですか

コジ: はい、そうですね。
ゲームでも、大きいタイトルを何年もかけて開発するのではなく、ハイカジを少人数でパッと数ヶ月で作るとか。

Taka: だから大手がやっているように1本作るのに5,6年もかけてられないってことですよね

コジ: 特に経験が浅くて、知識やノウハウも少ないって状態だと、トライ&エラーじゃないですけど。
チャレンジして、ダメだったらまた次に活かす、みたいな感じでしょうか。

Taka: 特にエンタメとかトレンドが重要な商品て、流行り廃りの流れも早いですから、そのやり方の方が合ってるかもしれないですね

コジ: そうですね。それに、開発期間中にもう新しい技術が入ってきて、トレンドが入れ替わっていたりしますね。

Taka: 2,3年後にはもう古くなってたりしますからね。

今UIデザイナーていうポジションですが、そういった豊富な知識って活かされていますか、それともそれはそれとして日々学ばれてらっしゃるんですか

コジ: そうです。
普段の業務でも意識するにこしたことはないと思います。
マーケティング寄りで考えるのか、デザイン寄りで考えるのか、ちょっとジャンルは違うんですけど、つながる部分ももちろんいっぱいあると思っています。

最近は、バスケとかの方に楽しくて集中しちゃっていて、
自分でハッカソンに行ったりとか、新しいサービスを作るとかやれていないので、
またちゃんと始めないとなっていうふうに思ってます。

Taka: なので誰かそういったハッカソンとか興味ある人がいたら、是非ご一緒しましょうってことですね

コジ: はい、是非!

Taka: 今日は幅広くいろんなお話が聞けて、ありがとうございました。

コジ: ありがとうございました。